人は生きる限りひとりだよ、でも音楽がある

主に好きなミュージシャンの紹介です。

Lucky Kilimanjaroが今私を一番踊らせてくれる

家で踊れてる?

今日は大阪・Zepp NambaにてLucky Kilimanjaroのライブを観に聴きに行ってくる。 

皆さんはLucky Kilimanjaroをご存じだろうか。

シンセサイザーを用いたダンス・ミュージックが魅力的な男女6人組のバンドである。都会の大学の軽音サークルにて結成されただけあり、なんだかおしゃれでキラキラした印象を与えてくれ、自分のような卑屈な人間はアー写を見るだけで当てられるような感じもするんだけれど、そんな陰湿な私のことも彼らの音楽は包み込み、踊りに向かわせてくれる。

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孤独に闘う人間を励ましてくれる歌詞、パーカッションを効果的に使用したサウンドが、それこそ深夜に一人歩いてるときなどに聴くと、勝手に前へと足を運んでくれる。

ボーカル・熊木幸丸さんの書く歌詞は、ストレートに聴き手の心に寄り添ってくれる一方で、特にサビでは丁寧に韻を踏み、ダンサブルなサウンドに一役買っている。すごい。

おそらく最も世間に知られている曲は、この「HOUSE」だろう(YouTubeの再生回数的にも)。

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出だしからご機嫌なパーカッションとシンセベースが、とにかく聴いている人を踊らせようとしてくる。スネアで盛り上げてから、歌ではなくシンセによるメロディを聴かせてくるのも、まるでDJの演奏を流しているかのようで、家をクラブに見立てて踊れるような構成になっている。ハウス(=家)とハウス・ミュージックがかけられているのもおしゃれ。

私のイチオシ楽曲は、「春はもうすぐそこ」だ。

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この楽曲も、歌サビの間は楽器隊を抑え、その後に躍動感のあるリズム隊とどこかオリエンタルな感じを受けるシンセ・メロディを聴かせる構成で、冬を越えた私たちを活動的にさせてくれる。

歌詞もいい。アラサー男性の私でさえも、まるで女子学生になったかのような気分にさせてくれ、ウキウキするような恋の予感を思わせてくれる。春を「瑞々しく実る」と表現できる感性は素敵だ。MVの色彩感もこのような気持ちを高めるものになっている。

作曲はLucky Kilimanjaro名義になっているが、主としてはボーカル・熊木幸丸さんが基本形を提示してそれをみんなでアレンジしているものと思われる。彼の類まれな作曲センスを考えると、ダンス・ミュージック、ハウス・ミュージックに限らず、もっとアップ・テンポな曲やロック調の曲など、わかりやすくウケそうな楽曲も書けそうな気がする。しかし、彼または彼らのダンス・ミュージックへのこだわりは相当なもので、彼らの楽曲の殆どはテンポも曲の構成も、あくまで聴き手が「踊れる」ことを念頭に置いて作られていると感じる。この一貫したスタンス、かっこいい。

最近の楽曲の「またね」もよい。

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「春はもうすぐそこ」では新しい感情が歌われていたのに対し、この楽曲では春の別れが描かれている。一見ミスマッチなダンサブルなサウンドと別れの切なさが、シンセサイザーの絶妙な音色によって見事にまとめ上げられている。最後には前向きになれるような、未来を感じる歌詞も魅力的だ。

定期的に流行する、4つ打ちのダンスビートを多用したロックもいいけれど、自分を本当に踊らせてくれるのは、Lucky Kilimanjaroのどこかチルく、心を底の方から踊りたくさせてくれる音楽だと思う。

少し落ち込んでしまうようなことがあったときは、彼らの曲を聴きながら、肩を揺らしてみると、前を向いて歩いていけるような気がするよ。

 

(追記:ライブめっちゃよかった。「君が踊りだすのを待ってる」がラストに来るの最高だった。)