人は生きる限りひとりだよ、でも音楽がある

主に好きなミュージシャンの紹介です。

インドア系なので、Yunomiさんに憧れるんです

TikTokの効果なのか、はたまた海外人気もあるからなのか、Yunomi & nicamoq の「インドア系ならトラックメイカ」の動画って3,588万回も再生されているんですね。

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かわいい声とかわいいサウンドに、どこか脱力感のあるノれるリリック。個人的に、Yunomiさんとnicamoqさんのコンビは無敵だと思う。

DJ、トラックメイカーであるYunomiさんの曲は、普段EDMに慣れ親しんでいない人の耳にも、するっと馴染んでいくメロディやリフのポップさが素敵。彼の曲の多くはいわゆるFuture Bassに分類されるが、このジャンルはEDMの中でも、ベースやビート、コードの圧迫感がなくお洒落で踊れるサウンドだと感じる。

Yunomiさんの曲は、皆さんどこかで耳にしているのではないだろうか。例えば、アニメ「トニカクカワイイ」のOP「恋のうた(feat.由崎司)」も、Yunomiさんの曲である。

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アニメのストーリーにマッチしつつも韻の踏み方が心地よいリリック、和のテイストを存分に加えたトラック。サビは平坦なメロディで進行させビートで盛り上げ、その後のシンセメロディを聴かせる構成。Yunomiさんにしか作れないような曲ではないだろうか。また、こんな難しい曲を歌いこなした由崎司(CV. 鬼頭明里)さんも凄い。

Yunomiさんの曲には、「Yunomi節」とでも言うべき要素があり、例えば和テイストのサウンド、かわいくてポップなメロディというのがそれに該当すると思うのだけれど、最近は他の面も見せてくれるようになり、彼の技術力の高さが伺い知れる場面が増えてきた気がする。

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VTuberの宝鐘マリンさんに提供したこの「Unison」は、パーカッショナブルなベースとビート、後ろの方で微かに鳴る最低限のシンセサイザーというトラックで構成されている。しかし、シンプルなトラックと効果的なコーラスの使い方が、マリン船長の表現力豊かな歌声を強調している。

歌メロの音の区切り方も印象的で、拍子の感覚をずらすような抑揚のつけ方は、歌い手も混乱しそうであるけれど、よくこんなメロディを考えつくなと感心させられる。

歌詞も、マリン船長の設定によく則っていることに加え、「ねっちゅうして」など、マリン船長のファン層どまんなかの人々の妄想を掻き立てる、絶妙なリリックになっている。

YunomiさんがVtuberに提供している楽曲は、先ほど述べた「Yunomi節」が抑えられ、どこか実験的なものが多い気がする。次の周防パトラさんへの提供楽曲の、「イミグレーション」も、攻めた楽曲になっている。

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シンプルなトラックという点では「Unison」と共通するのだが、こちらの楽曲では執拗なまでのウィスパーボイスがベースラインやビートと合わさり、一つの楽器としてトラックを構成しているような印象を受ける。

また、元祖VTuberと言えば、のキズナアイさんも、Yunomiさんの楽曲提供を受けている。

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こちら「Future Base」は、本当に上質なFuture Bassとしてかっこいい楽曲である。和テイストやKawaiiという意味での「Yunomi節」はないが、それでもYunomiさんが作った楽曲だということがどこかで感じられる。すごい。

最後に、「Yunomi節」全開で、これからの夏にぴったりの楽曲を挙げておきたい。

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女優の福原遥さんが歌っているこの「箱庭のサマー」は、彼女の透き通った歌声と、明るい夏の情景、淡い恋模様が本当にマッチしている。その澄み渡るような青春の要素と、EDMの要素をこれほどまでにうまく組み合わせるのは、Yunomiさんにしかできない芸当だと思う。

アイドルグループCY8ERとその前身であるBPM15Qへの提供楽曲や、電音部への提供楽曲、アンテナガールさんとのコラボ曲、アーバンギャルド「ワンピース心中」のRemixなど、Yunomiさんの曲で紹介したいものは他にもたくさんあるのですが、長くなりすぎるのでこの辺にしときます。

インドア系の皆さん、よかったら漁ってみてください。

 

(蛇足:過去にYunomiさんがTwitterで自分の作曲方法を解説していて、それを真似て私もトラックメイカーになりたいなと思っていたら、何もせず数年が経ってました。)